貧血を解消しよう

 

貧血は鉄分を摂っているだけでは治らない」というページで、貧血には多くの種類があることを説明しました。

 

種類によっては、薬剤が必要なものもありますが、日本で一番多いとされる「鉄欠乏性貧血」の場合、

 

食事」を変えることで根本的に体質を改善していくことが好ましいです。

 

鉄欠乏性貧血において、鉄分が足りないからとサプリメントや鉄錠剤を服用してもあまり改善がみられない場合、

 

・野菜をたくさん食べている

 

・お腹の調子が悪いことが多い

 

などは当てはまりませんか?

 

 

野菜は、たくさんとれば健康になれそうですが、実はそうでもありません

 

植物性食品からの鉄分の吸収は非常に悪く、さらに食物繊維はとりすぎると逆に鉄の吸収を阻害してしまいます。

 

また、よく腹痛をおこしたり、便秘や下痢が多い、お腹がよく張っているなどの症状に心当たりがある場合も、

 

腸の状態が悪いために鉄を十分吸収できていないのではないかと思います。

 

 

そのため、鉄欠乏性貧血を改善していくためには、

 

・鉄吸収の阻害につながる食べ物を避ける

 

・腸の状態を改善していくための食事をする

 

・赤血球(ヘモグロビン)の材料になるものをしっかり摂る

 

ことが大切になります。

 

 

この3点を押さえた食事が「ディフェンシブフード」です。

 

 

 

ディフェンシブフードの実践

 

① 鉄吸収の阻害につながる食べ物を避ける

 

糖質において、玄米をはじめとした、もち麦、キヌア、オーツ麦、小麦、大麦などの雑穀類は常食には好ましくありません

 

それらには「レクチン」という植物毒が含まれているため、常食すると胃腸の消化吸収機能が弱くなり、

 

十分な栄養を摂れなくなり慢性的な栄養失調から貧血を助長することになってしまいます。

 

また、筋肉の減少にもつながります。

 

タンパク質は豆類にも含まれていますが、味噌や納豆のような発酵食品を除く豆類、ナッツ類には、

 

腸壁を害してリーキーガットの原因となる「レクチン」が多く含まれています。

 

また、大豆には「トリプシンインヒビター」というタンパク質の消化を妨げる成分も含まれているため、

 

タンパク質の吸収が悪くなってしまいます。

 

タンパク質は、赤血球を作るのに重要な材料です。

 

そのため、豆類をいくら食べてもタンパク質は十分に摂れないことになってしまいます。

 

  

 

 

 

② 胃腸の機能を改善していくための食事 

 

基本的に、胃腸の状態が悪い場合、栄養が十分でない場合がほとんどです。

 

そのため、基本的な栄養(糖質・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル)を必要量しっかり摂ることが大事です。

 

実際に赤血球を造るのは骨髄の造血幹細胞であり、造血幹細胞も他の細胞と同様にブドウ糖がエネルギー源になります。

 

そのため、ブドウ糖が足りなくても、造血は十分に行われませんので、ご飯(お米)をしっかり食べることが重要です。

 

タンパク質は、肉類や魚介類、卵などの動物性食品から摂取することが効果的です。

 

造血に必要な鉄も、植物性食品に含まれる非ヘム鉄よりも、動物性食品に含まれるヘム鉄の方がおよそ 5 倍も吸収しやすいのです。

 

植物性食品にはビタミンB12 が含まれていないというのも、動物性食品の摂取が効果的な理由の一つでもあります。

 

味噌や納豆のような発酵食品もおすすめです。

 

脂質も重要です。

 

赤血球を含む全ての細胞は、「リン脂質」という油膜(細胞膜)に包まれています。

 

細胞膜をつくる脂質が足りなければ新たな細胞をつくることはできません。

 

脂質には、体内で合成できる脂質と、合成できない脂質(必須脂肪酸)があり、必須脂肪酸は食品から摂取する必要があります。

 

特に注意して摂りたい脂質は、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA・αリノレン酸)です。DHAとEPAは青魚に多く含まれています。

 

酸化しやすいので、サプリメントで摂るよりもサケ、サバ、イワシ、サンマなどの缶詰から摂るほうが効果的です。

 

焼き魚として食べる場合には、焼いてから時間をあけずに食べたほうがよいでしょう。

 

また、αリノレン酸はシソ油(エゴマ油)やアマニ油に多く含まれています。

 

オメガ3脂肪酸からつくられる細胞膜は柔軟性が高く、赤血球の変形能も高くなるため、綿密な構造をしている毛細血管の中も通りやすくなり末梢まで酸素を運ぶことができるようになります。

 

そのため、肌の血色がよくなり、弾力性も高くなります。

 

また、オメガ3脂肪酸には、生理痛の緩和や出血量を減らす、子宮筋腫増大の抑制などの効果もあります。

 

オメガ6が多いものや、酸化しやすい不飽和脂肪酸が多いものはなるべく避けましょう。

 

 

 

具体的に、どのような食べ物が良くて、どのような食べ物が悪いのかというのは、

 

こちらのガイドブック「自律神経を整える食事」にまとめています。

 

 

定価¥1,650(税込)

 

 

また、実際にディフェンシブフードを使った料理はどのようなものがあるのか、

 

という疑問を解決するためには、「ディフェンシブフード・アレンジガイド」が役に立つかと思います。

 

<見本>


 

 

「ディフェンシブフード・アレンジガイド」は、ネットショップで商品を一点以上購入頂いた方限定で、

 

無料で差し上げています。

 

ぜひ「自律神経を整える食事」とセットでお読みいただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

その他の貧血について

 

悪性貧血の場合

 野菜中心の生活をしていると、ビタミンB12が不足して悪性貧血になりやすいといえます。この場合、動物性食品をしっかり食べることで改善していきます。

また、ビタミンB12と葉酸は吸収するために胃の内因子が必要になります。そのため、胃を切除したり、胃の粘膜が萎縮していたりするとビタミンB12や葉酸の吸収ができなくなり悪性貧血をおこすことがあります。この場合は、サプリメントでビタミンB12や葉酸を補っても効果はなく、注射で補う必要があります。

 

溶血性貧血の場合

スポーツや打撲による場合は、しばらく休養をとることで自然に回復します。

自己免疫性による場合は、専門医にご相談下さい。

 

腎性貧血の場合

ホルモン不足による貧血なので、症状を改善するには「エリスロポイエチン製剤」が必要です。

 

再生不良性貧血の場合

専門医にご相談下さい。

 

その他

本来、漢方は数日飲めばよいもので、決して長く飲み続けてよいものではありません。