【血糖値が気になる方必見】高血糖・低血糖の改善は、糖代謝機能の改善がカギ

 

糖尿病、それは現代病と呼ばれここ100年ほどの間に急激に増加している病気です。これは血糖値(血中ブドウ糖濃度)に異常が生じることで全身に様々な障害がおこり、最悪死に至るという慢性疾患です。

 

糖尿病だけでなく、糖尿病予備軍といわれる高血糖状態や、低血糖症でも血糖値に異常がおきています

 

血糖値の異常は、進行していくことで連鎖的に他の臓器や器官に悪影響を与えてしまうので、高血糖・低血糖ともに早いうちにブドウ糖代謝機能を改善していくことが大事です。

 

ここでは、ブドウ糖代謝機能を改善していくために必要な知識を身に付けてもらい、実際に自分で実践できる方法を紹介していきます。

 

 

はじめに、血糖(ブドウ糖)とは?

 

 血糖とは、血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度のことです。

 

ブドウ糖は、体内で最も重要なエネルギー源で、脳や全身の臓器はブドウ糖をエネルギーに変えて活動をしています。脳でのブドウ糖の消費量は、起きて活動している時も寝ている時もほとんど同じなのです。

 

血糖値は、いくつかのホルモンにより狭い範囲で一定に維持されていますが、糖代謝機能が狂ってしまうと血糖値に異常が生じてしまいます。

 

 

正常なブドウ糖代謝とは

 

ブドウ糖はお米から摂るのが一般的かと思いますので、お米を食べた時を例にブドウ糖が全身にどうやって働くかをみていきましょう。

 

まず、お米は「アミロペクチン」と「アミロース」というブドウ糖がたくさんくっついた状態で炊き上がります。

 

それを人が食べると、口から小腸までの消化器官のはたらきによって、アミロペクチンとアミロースは分解されていきます。

 

最終的に、ブドウ糖がバラバラになり一つ一つの状態になったところで小腸の壁から血液中へ吸収されていきます。

 

血液中に移動したブドウ糖は、ブドウ糖を運ぶホルモンによって全身に運ばれていきます

 

全身の細胞に到着したブドウ糖は、膵臓から分泌されている「インスリンというホルモンの働きによって、細胞内へ取り込まれていきます

 

細胞は、取り込まれたブドウ糖を使い、エネルギーを作り出し元気になります。

 

血液中でブドウ糖が十分な量になると、余っているブドウ糖は肝臓筋肉に運ばれていき、グリコーゲンという形でストックされます。

 

 再び血液中のブドウ糖濃度が低くなってくると、グリコーゲンが分解され、血液中にブドウ糖を供給するのです。

 

*インスリン拮抗ホルモン

ヒトではグルカゴン、カテコールアミン、コルチゾール、成長ホルモンなどがあり、これらのホルモンは肝臓でのグリコーゲン分解や糖新生を促進し、血糖を上げる作用を持つ。

正常な血糖値は、空腹時で80 〜 109 mg/dL 、食後2時間後で 140mg/dL です。

 

この基準を超えると高血糖、 70 mg/dL 以下になると低血糖です。

 

 

高血糖の原因

 

Ⅱ型糖尿病につながる高血糖の原因として大きく、運動不足・慢性炎症などが挙げられます。

 

【運動不足の場合】

人は寝ているだけでも、脳では起きている時と同じ量のブドウ糖(エネルギー)を消費しています。

 

さらに、人間は狩りをするためのからだに進化してきた生き物なので、エネルギーの使用量は運動をするためにも割り振られています。

 

運動でのエネルギー消費は全体の1/3程度ですが、血液中でブドウ糖を全身に運んでくれているホルモンは、運動をすることで分泌が増えます

 

そのため、運動不足になると糖を運ぶホルモンが減ってしまい、いくらインスリンが分泌されていても糖を取り込むことができなくなってしまうのです。

 

 

【慢性炎症の場合】

炎症とは、免疫により異物が排除されている状態です。慢性炎症ではその名の通り、炎症が持続している状態です。

 

慢性炎症の原因の多くは、腸での検疫(ここでは血液中に吸収してもよいものかどうかを判断すること)機能が低下し、良からぬものまで血液中に流れ込んでしまうリーキーガットという状態です。

 

炎症では、免疫細胞が炎症性サイトカインという物質を出すことで異物を排除しています。

 

慢性炎症により、炎症性サイトカインが増えていくとインスリンの効きが悪くなります

 

そのため、細胞内に糖を取り込むことができなくなり(インスリン抵抗性)、血液中のブドウ糖濃度が上がってしまうのです。

 

さらにⅡ型糖尿病の場合、膵臓からインスリンが分泌されているものの、その分泌タイミングが悪いために高血糖になってしまうというケースが多いです。

 

これは、偏食などの不規則な食習慣によるものと考えられます。

 

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高血糖になると

 

高血糖になると、血液中にあふれた糖と血液中のタンパク質が反応して終末糖化産物(AGEs)という物質を作り、老化を促進していきます。

 

AGEs は、細胞や臓器を支えるはたらきをしているコラーゲンの弾力性を失わせていきます。コラーゲンの弾力性が失われることで、高血圧・腰痛・関節炎などになりやすくなってしまいます。

 

また、高血糖になると、毛細血管を詰まらせることにより血管を損傷し、神経をも侵していくことにつながってしまいます。

 

さらに、血糖値の高まりが進行していくと糖尿病につながり、その合併症として「網膜症や腎症、神経障害、脳梗塞や心血管障害など」の障害を引き起こすことにつながりかねません。

 

早いうちにブドウ糖代謝機能を改善していきましょう

 

 

低血糖になる原因

 

では逆に、低血糖ではどのような原因や症状があるかみていきましょう。

 

低血糖の主な原因は、以下の三つです。 

  • 糖尿病治療による過度な血糖値の低下
  • ブドウ糖摂取量が足りない
  • 高血糖になること

とりわけ、果糖ブドウ糖液糖・砂糖などを大量にとると、食後に血糖値が急激に上昇します。

 

そうすると身体は急いで血糖値を下げようとしてインスリンを大量に分泌したり、糖を尿から排出したりします。

 

その結果、低血糖になります。

 

血糖値が下がると

 

 

血糖値が低下すると、副腎からアドレナリンが分泌され、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが分解されます。

 

そして、交感神経の働きが強まり、左のような症状が出ます。

 

さらに肝臓のグリコーゲンが枯渇すると、脳や神経細胞の働きが弱まり、左のような中枢神経症状が現れます。

 

さらに血糖値が低下し続けると、昏睡状態に至ってしまいます。


糖代謝機能を改善するには

 

高血糖・低血糖は、糖(ブドウ糖)代謝異常のあらわれです。

 

正常な糖代謝は、糖分を摂取後、あるホルモンが血液から細胞まで糖を運んでくれて、細胞までくるとインスリンというホルモンが細胞内に糖を取り込むようにはたらきます。

 

こうして糖は細胞内でエネルギーとして使われます

 

高血糖では、この糖を運ぶホルモンの枯渇や、糖を取り込むインスリンの枯渇もしくは分泌不全により血糖値が上昇し、体がエネルギー不足になってしまいます。

 

低血糖では、そもそもの糖の摂取や吸収率が悪かったり、インスリン過多により、血糖値が低下して、体がエネルギー不足になってしまいます。

 

どちらも、糖代謝をしっかり改善していくことが重要になります。

 

そのために、解消法のページでは、まず糖について正しい知識を身に付け、糖代謝機能を高める食事について解説します

 

さらに、インスリン抵抗性の改善効果が認められている「オリゴ乳酸」や、インスリン感受性を高める「マグネシウム」についても解説していきます。

 

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