甲状腺機能低下症の症状は、まさに ” からだがだるい ” というのが特徴的です。
体温が低い、生理不順、筋力の低下、むくみなどの症状がある場合は尚更、甲状腺機能が低下しているかもしれません。
なぜかというと、甲状腺のはたらきは全身に作用し、代謝活動や各臓器のはたらきを高めてくれているからです。
甲状腺の機能が低下してしまうと、代謝や臓器のはたらきも悪くなり「だるさ」を感じてしまうのです。
甲状腺、大切な器官ですよね。しかし、甲状腺がどこにあるかもわからないという方が多いのです、、
ぜひ甲状腺のはたらきを知り、甲状腺の機能を高めて「だるさ」を解消しましょう!
甲状腺は、喉頭直下の気管に接着する器官です。甲状腺が全身に作用するのは、甲状腺が分泌する「甲状腺ホルモン」のおかげです。
甲状腺ホルモンの分泌は、脳からの指令で分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH) によって調節されていて、全身に作用する甲状腺ホルモンは主に二種類あります。
甲状腺ホルモン①
サイロキシン(T4) と呼ばれる甲状腺ホルモンで、血中に最も多く存在しています。
甲状腺ホルモン②
トリヨードサイロニン(T3) と呼ばれる甲状腺ホルモンで、T4 から代謝され、強い生理作用を示します。
上記の甲状腺ホルモンは全身にはたらき、次のように作用を示します。
・ 体温の産生
・ 心拍数の増加
・ 糖代謝の促進
・ 脂質代謝の促進
・ 内臓、脳、神経、筋肉、などの機能促進
甲状腺の機能が低下すると、甲状腺ホルモンの分泌が悪くなるため、上記の機能が十分果たせなくなります。
その結果、「からだがだるい」という状態に陥ってしまうのです。
では、甲状腺の機能が低下してしまう原因はなんでしょう?
甲状腺の機能が低下する原因の大半は、「橋本病」と呼ばれる自己免疫疾患によるものです。
橋本病では、本来自分のからだを攻撃しないはずの免疫が、甲状腺に対する自己抗体を作ってしまい、甲状腺に慢性的な炎症が生じてしまうのです。
これにより甲状腺が腫れ、ホルモンの分泌が悪くなってしまうのです。
日常生活で甲状腺の機能が悪くなる最たる原因は、放射性物質です。
吸い込んだ放射性物質は、主に甲状腺に蓄積し、炎症や機能低下や腫瘍発生などを引きおこします。
食品により甲状腺の機能が低下する原因は、主に大豆と昆布です。
大豆には、ゴイトリンという甲状腺腫誘発物質が含まれています。
甲状腺ホルモンを作るためには、ヨードが必要ですが、ゴイトリンは甲状腺にヨードが吸収されることを阻害します。
そのため、ヨードが不足し、甲状腺ホルモンの産生が低下します。
さらに、大豆にはタンパク質の消化を阻害してしまう物質も含まれているため、食事で摂取したタンパク質を体内で利用することができなくなります。
そのため、ヨードとともに甲状腺ホルモンを作るタンパク質が不足し、甲状腺ホルモンの産生が低下します。
逆に、昆布にはヨードが多く含まれているため、昆布の食べ過ぎはヨード過剰になり、甲状腺の機能を悪くします。
ヨード過剰は、イソジンなどのヨード剤によるうがいでもおこります。
これらの原因以外にも、 甲状腺刺激ホルモン(TSH) の産生が低下することや、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH) の分泌が低下するなど、脳からの指令がうまく伝達されない場合にも甲状腺ホルモンの分泌が低下し、その機能が悪くなってしまいます。
甲状腺の機能は血液検査で、TSH,T3,T4 の項目を測定してもらうことで分かります。
TSH の値が高いということは、甲状腺ホルモンが不足していることを意味しますので、甲状腺の機能が低下している疑いがあります。
また、甲状腺に対する自己抗体(抗Tg抗体、抗TPO抗体)の有無や、所見により腫れがあるかなどを診て診断されます。
甲状腺は、全身の代謝活動に必要な甲状腺ホルモンを分泌する大事な器官です。
その機能が低下してしまうと、からだがだるいと感じるようになります。
甲状腺の機能を悪くしてしまう原因は、主に自己免疫疾患・放射線・食品(大豆や昆布)です。
症状を改善するために、甲状腺ホルモンを薬で補うことも大切ですが、根本の甲状腺機能を改善していくことが大切です。
自己免疫疾患では「腸」からのアプローチにより、免疫のはたらきを正常化していくことが大切になります。
解消法のページでは、食事法による「自分で甲状腺機能を改善していく方法」をご紹介していきます。
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